過去に読んだ芥川賞をうろ覚えで振り返る

まず、ピースの又吉さんが受賞し、話題の芥川賞について簡単に説明します。

芥川賞は純文学の新人賞です。


無名、あるいは新人作家を対象とした賞で新人の登竜門と呼ばれてます。

純文学は「娯楽性」よりも「芸術性」に重きを置いている小説の総称です。


これに対して「芸術性」よりも「娯楽性」に重きを置いているのが大衆小説で、こちらの作品に与えられる賞が直木賞です。


娯楽<芸術性→純文学

娯楽>芸術性→大衆小説


純文学⇔大衆文学

芥川賞直木賞

という図式です。


「芸術性」という言葉がわかりにくいですが、簡単に言うと、純文学はストーリーの面白さよりも、人間の感情だったり、作品として何を伝えるかを大切にしている小説です。

前置きが長くなりましたが、さっそくいきましょう。 

第77回受賞 エーゲ海に捧ぐ★★★☆☆

エーゲ海に捧ぐ (中公文庫)

エーゲ海に捧ぐ (中公文庫)

 

 どこかの外国で、ずっとエッチばっかりしてる、あけっぴろげな話。

因みに、子供の頃に図書館で読んだ。

子供に読めるの?って思うかもしれないけど、たぶん芥川賞で一番かんたん。

「奇巌城」よりも、読みやすかった記憶がある。

改めてあらすじ読んだら、ポルノだった。

アニメやゲームより18禁のレイティングが必要なのは文学だと思ってる。

奇巌城 怪盗ルパン全集★★★★★
奇巌城―怪盗ルパン全集 (ポプラ文庫クラシック)

奇巌城―怪盗ルパン全集 (ポプラ文庫クラシック)

 

 ルパン三世じゃないよ。

このシリーズ大好きだった。

第120回受賞 日蝕★★★★☆

日蝕

日蝕

 

 ストーリーの説明は難しい。

RPGみたいに旅をしていたような。

文章も小難しくて最初はつらいが、それに慣れると面白くなった。

とりあえず「錬金術師」や、「賢者の石」や「両性具有者」などのワードが気になる人におすすめ。

 第130回受賞 蛇にピアス★★★☆☆

蛇にピアス (集英社文庫)

蛇にピアス (集英社文庫)

 

 身体改造にハマる人たちの話。

20歳の女の子のデビュー作ということも含めて評価すべき作品。

主人公は19歳で等身大の自分を表現してるというか。

これを40歳のおばさんが書いてたらちょっとね…

 第130回受賞 蹴りたい背中★★★★☆

蹴りたい背中

蹴りたい背中

 

 第130回芥川賞同時受賞で、当時19歳。

第38回文藝賞受賞の「インストール」の時は17歳だった。

「インストール」も「蹴りたい背中」も表現が素晴らしい。

こんなに才能に溢れていたのにスランプになるなんて。

受賞後のプレッシャーのせいだったらもったいない。

第138回受賞 乳と卵★☆☆☆☆

乳と卵

乳と卵

 

 豊胸手術と初潮の話がずっと続く。

こういうテーマを芸術性と勘違いしているのかな。

いったい卵をぶつけ合う喧嘩で何を感じればいいのか。

どこが評価されてるかわからない小説。

たぶん大阪弁に騙されてるんだと思う。

関西人は騙されないぞ。

 第146回受賞 共喰い★★☆☆☆

共喰い (集英社文庫)

共喰い (集英社文庫)

 

 暴力的な性癖を持つ父と思春期の息子の話。

これは作者の田中さんの会見をみてから読むとよくない。

これ、あの人が考えたんだよな。と顔がちらつく。

下衆だと思うけど、そんな内容だし仕方ない。

シャイな男性が下ネタ言ったらびっくりするし。

たぶん、リアリティが足りないから読んでて気が散るんだろう。

それが、純文学だと言われるとすごく困る。


そんな感じ、以上です!


又吉さんの小説「火花」はまだ読んでません。

評価がわかれているので読むの楽しみです。

またレビューするかもです。