図書館で借りて読んだ本(2):2017/04
図書館で借りて読んだ本の備忘録です。
気になる本を調べていて気づいたことですが、図書館のいいところをひとつ。
絶版になり高値で取り引きされている本は、図書館で探してみましょう。
当時入荷されていれば、今でも読むことができます。
☆4以上のものについては簡単な感想を書きました。
※作品の☆は個人的なもので、Amazonの評価ではありません。
「世界征服」は可能か?/岡田 斗司夫
★★★★☆
「ところで、このガーゴイルって秘密結社は、なんで世界征服なんかしたいんでしょうね?」
庵野秀明監督は、ため息をつきました。
「そんな面倒なことせずに、高度な科学力で自分らだけ楽しい暮らしすればいいのに……」
NHKアニメ『ふしぎの海のナディア』の制作も佳境に入った頃、一九九一年の年が明けて間もない頃の話です。
この“はじめに”の文章が秀逸で、一気に引き込まれ夢中で読んでしまった。
これは「世界征服」は可能か?を、まじめに考えた本。
アニメや漫画の敵から、征服の目的、支配者のタイプを分析する。
さらに、世界征服の手順や、征服後の心配まで具体的にシュミレーションしている。
これも思考実験と言えるのか、自分が征服するつもりになって、考えてみるのも面白い。
途中から、フィクションの世界の話から現実世界の話しになると、すんなり納得は出来ないところもあった。
それでも、読みものとしてかなり面白いので、読んで損はなし。
東京の空/宮本浩次
★★★★☆
ロッキング・オンから発行された、エレカシの宮本さんの『ブリッジ』『ロッキング・オン』での連載を収めたエッセイ。
2003年と随分前のものだけど、当時レコーディングしてたというアルバムを聴きながら読んだ。
すでに音楽で才能を発揮している宮本さんの、この溢れんばかりの文章の才能。
読者に向けて書かれた文章は、面白くて優しくて、読んでいると対話しているような気持ちになれた。
もっと、もっと、この人の書いた文章が読みたいと思うのに、この『東京の空』と『明日に向かって歩け!』の2冊しか出版された本がないなんて。
しかもどちらもプレミアの上、『明日に向かって歩け!』は、市内の図書館にはなかった。
隣の県にはあるようなので、知らない図書館に本を探す旅に出るのもいいかもしれない。
田舎でロックンロール/奥田英朗
★★★★☆
レコードで音楽を聴いていた時代に青春を過ごした奥田さんのエッセイ。
各章にアルバムの紹介なんかもあって、ディスクガイドとしても面白い。
1972年から1977年までのオクダ少年から見た洋楽の歴史が垣間見できる。
ただ、好きを語ろうとして他の音楽を貶すところが少し気になった。
この本には、ロックをわかってくれない先生に反抗して、乗り込んでレコードをかけるという青春小説が収録されていたが、大人になった奥田さんは、ここに登場する先生に思えた。
また、誰しもが、自分の青春期が音楽シーンにおいて最高の世代だと信じている。というのも、やっぱりそうだった。
わたしも、Apple Musicのある現代の環境は最強だけど、音楽シーン最高の世代は、青春期になってしまうものなー。
逃げるは恥だが役に立つ(1)(2)(3)/海野つなみ
★★★★★
ドラマ化もされた人気コミック、略して『逃げ恥』。
あまりヒットがなかった、大人向け恋愛漫画に新たな風を吹き込んだと言えよう。
契約結婚というテーマながらも、難しくならずに、気軽に読める爽やかさがある。
作者は25年以上のキャリアがあるそうで、なるほど、すごくバランスがいい。
少女漫画の丁寧な心の声の描写は、マンガの技法として完成されてるなーと思う。
みくりと、平匡さんの心の声が両方聞けて、神の視点で読めるところがニヤニヤする。
眼鏡かけてる時の平匡さんに、目の表情ないのが個人的にツボだ。
まとめ
本3冊、コミック3冊でした。
わたしの記憶では、図書館にあるマンガと言えば、『DRAGON BALL』『ちびまる子ちゃん』『サザエさん』でしたが、コミックの取り扱いも多様化しているようです。
ただ、マンガの棚は歯抜けになっており、借し出されているというよりは、紛失した後、補填されてないように見えました。
冊数の多いコミックは図書館には向かないと思いますが、リクエストがあるのでしょうか。
思っていた以上に豊富な品揃えで驚きました。
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