ふしぎの国への知的冒険を愛する人々に!『遊びの博物誌』
特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
わたしにとっての青春の一冊は、この本。
いまからもう40年近く前の朝日新聞日曜版の家庭欄に『遊びの博物誌』という連載があり、それをまとめたものです。
古今東西の遊びが、図と写真で紹介されてます。
この本に出会ったきっかけをどうしても思い出すことができない。
古本屋さんで見つけたのか、だれかに借りたのか。
でも最初に読んだとき、すぐに引き込まれたことはよく覚えています。
この、はじめの文章が冒険の入り口でした。
こどもたちは、身のまわりのものすべてをふしぎがり、ただのガラクタを遊びの小道具にしてしまう天才である。
おしきせのかたちや、既成のなわばりにとらわれない、そんな自由な心こそ、みずみずしい創造のための必要条件で、芸術も科学もこんな純粋な遊びの精神から育ってきたといっていいだろう。
じじつ、すぐれた作家や学者の中には、いつまでも童心を忘れず、狭い専門領域からはみ出して、生き生きした"遊びの創造者"であり続けた人が少なくない。
数学者のルイス・キャロルが書いた『ふしぎの国のアリス』が、百年たったいまでも世界中のこどもたちに愛されているのは、キャロル自身の変身願望や、幻想のイメージへの知的冒険が、こどもたちにもそっくり同じ驚きを体験させるからにちがいない。
わたしは、この本で紹介されている遊びに知的好奇心を満たされ、これが人間なんだと感じました。
動物とは違い、遊びの精神が備わっている。
人間はそういう生き物。
ただ、遊びを紹介するだけの本ではなく、その精神を考える本なのです。
文章から伝わってくる楽しさ、語られる内容に、こうありたい自分を発見しました。
この本に出会わなければ、大事な何かを忘れて大人になるところでした。
あぶなかった…
kou-takekawa.blog.so-net.ne.jp
こちらのブログに少し写真があります。
『遊びの博物誌』のシリーズは全部で4冊。
当時は中古本を探して取り寄せましたが、今は、電子書籍で読めます。